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畑仲哲雄 著『地域ジャーナリズム――コミュニティとメディアを結びなおす』
定価:本体4,800円+税 2014年12月勁草書房刊
ISBN:978-4-326-60272-8
[内容説明]
廃刊目前だった過疎地の新聞社が中間支援型NPOというパートナーを得て、権力を監視する「番犬」から「善き隣人」に生まれ変わった。メディア再生と市民活動の活性化に成功した事例を、「最先端の実験」と位置付けて分析し、地域ジャーナリズムには主流ジャーナリズムの限界を超える希望があることを実証的に論じる。コミュニタリアニズム哲学の共通善やNPO研究のアドボカシー論などをジャーナリズム理論に架橋し、「大手」「一流」のジャーナリズムが「地方」を軽んじ、自らを脱地域化してきたことに反省を迫る一書。
[目次]
序章
第1節 研究の発端
第2節 規範をめぐる議論
第3節 前著からの接続
第4節 事例の概要
第5節 事例への戸惑いと疑問
第6節 地域という立脚点
第7節 本書の構成
第1部
第1章 ジャーナリズムの規範論
第1節 国家との関係性
第2節 市場との関係性
第3節 市民社会との関係性
第2章 地域の概念と自治のかたち
第1節 「地方」と「地域」の区別
第2節 初期の地域社会をめぐる研究
第3節 理念型としてのゲマインシャフトとコミュニティ
第4節 地域からみた自治の論理
第5節 地域情報化政策の問題
第6節 共同体の再評価
第7節 ガバナンスと補完性原理
第8節 政府・市場・コミュニティの区別
第3章 地域とジャーナリズム
第1節 統治構造とメディア・システム
第2節 新聞産業の「二重構造」
第3節 地方報道と地域報道
第4節 ジャーナリズムのヒエラルキー
第5節 地域紙の産業的特徴
第6節 地域自治と地域ジャーナリズム
第7節 新聞の集権と分権
第8節 自由の哲学
第9節 コミュニティの哲学
第2部
第4章 市民メディアからの問い
第1節 市民メディア研究からの先行文献
第2節 社会運動としてのパブリック・アクセス
第3節 「新聞編集権」をめぐる概論
第4節 NPO論からの先行文献
第5節 「協働」をめぐる議論と定義
第6節 地域メディア論から地域ジャーナリズム論へ
第5章 問いと方法
第1節 研究設問
第2節 ケーススタディ
第3部
第6章 新潟と上越後の相克
第1節 日本における北陸・新潟
第2節 上越地域のメディア環境
第7章 新聞社からみた協働紙面の実践
第1節 協働開始までのあゆみ
第2節 所有者とジャーナリストの対立
第3節 NPO紙面による意識改革
第8章 NPOからみた協働紙面の実践
第1節 中間支援型NPOの役割
第2節 手段としてのメディア
第3節 新聞社との距離感
第4部
第9章 〈地域〉という立脚点
第1節 先行研究の再検討
第2節 研究上の問いに対する結論
第3節 得られた知見
第4節 学問的貢献と今後の課題
第10章 善いジャーナリズムを求めて
第1節 上越モデルの伝播と今後の展開
第2節 善き隣人としてのジャーナリスト
第3節 ジャーナリストと研究者の協働
出版社ホームページ
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b185081.html
著者ブログ
http://www.hatanakat.com/ronda/2014/12/post-47c1.html