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「外交哲学の貧困と御用学者の責任1」 山脇直司(東京大学)

Posted: on 1:17 pm | 主張・意見・コメント(opinions), 平和問題

皆様、東京大学の山脇直司です。

いよいよ安保理決議なしのブッシュ政権主導による不当なイラク侵略戦争が始まりましたが、今回は一人のアカデミシャンとして、ここ一連の日本政府の動きに関して発言したいと思います。

アカデミシャンとしての私が今一番懸念していることは、アメリカを無邪気に支持し、フランスなどを非協力と言って批判する小泉首相や川口外相のお粗末きわまりない答弁の背後にいる「外務省お抱えの御用学者」の存在です。それは、「日本の外交哲学は日米同盟しかない」と公言してはばからない岡崎久彦氏のみならず、理念的思考ができずに冷戦のパラダイムでしか国際関係論をとらえられない「外務省と深いパイプを持つ学者」たちを意味します。アメリカべったりのまま、独仏の冷戦後の新しい外交理念や市民文化(英を含む)について全く無知で勉強しようともしない彼らが、間違った分析をした上で、川口さんなどに進言し、判断力のない彼女がその尻馬に乗って、平和憲法はもとより、広島、長崎などなかったようなお恥ずかしい答弁をしているようにしか私には思えません。ここまでお粗末な日本外交をもたらした責任の一つとして、外交哲学(理念)などに全く無関心で、矮小なパワーと利害関係だけでしか国際政治をみることの出来ない「外務官僚の精神構造」と共に、外務省お抱えの「御用学者の知的退廃」を暴く必要を今痛感しています。

ところで、これと関連して、今日(21日)の朝日新聞の12-13面に載った「3氏座談会」をみて唖然としました。基本的に米英の攻撃に反対のスタンスを採っている朝日の社説とは裏腹に、この座談会に出ている藤原帰一氏以外の2名は、はじめから米英攻撃支持の立場を鮮明にしている論者で、そのうちの一人岡本行夫氏にいたっては小泉首相のブレーンです。一体なぜ、このような社説と矛盾する立場の二人を朝日が選んだのか、編集部の見識と首尾一貫性が疑われますが、それはおそらく書評委員をはじめはじめとするここ20年来の朝日の「理念なき人脈主義」と無関係ではないでしょう。ともかく、今日掲載の座談会は、はじめから非常に偏った人選で行われたもので、朝日の社説に水をさす読売新聞向きの座談会であると思い、その旨をメールで朝日新聞編集部にも伝えた次第です。

以上、今回はとりあえず、アカデミシャンとして懸念している事柄を述べさせて頂きました。

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